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ドライバーの“カチャカチャ”はブランドによって違う!? 一目でわかる話題の新製品「弾道調整機能」早見表

ゴルフギアカタログ編集部

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新しく発表されるドライバーのラインアップにはほぼ採用されている弾道調整機能(通称カチャカチャ)ですが、ブランドごとに調整できる機能や表記が異なることも多く、ドライバーを新調した際に悩むゴルファーもいるようです。そこで今回は、各輸入ブランドから発表された、新製品の弾道調整機能の早見表を紹介します。

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ブランドによって機能が違う! ドライバーのカチャカチャ問題

もはや搭載されていることが当たり前になっているドライバーの弾道調整機能、いわゆるカチャカチャ。専用レンチを使い、装着する向きを変えることでヘッドの特性を調整できる優れものですが、どのように調整すればどう変化するのかというのが、いまいち分かりづらいのが難点です。

 

またブランドごとに調整できる機能や表記が異なるという点もよりわかりづらくしている要因の一つでしょう。そのため、それぞれのメーカーが調整の早見表を作成しています。

カチャカチャすると何が変化する? 調整できる主な項目とは?

カチャカチャで調整できる項目はブランドによって異なりますが、ロフト角とライ角はほとんどのブランドで調整できます。ロフト角は、打ち出し角を調整できて、大きくすればボールが上がりやすくなり、小さくすればボールが上がりにくくなります。

ライ角
ライ角58度を基準とした場合、60度がアップライトで56度がフラットになる。

またスピン量にも影響し、ロフト角を大きくするとスピン量が増え、小さくするとスピン量が減ります。さらにわずかですがつかまりにも影響します。ロフト角を大きくすればつかまりやすくなり、小さくすればつかまりを抑えることができます。


ライ角は、ボールのつかまり具合を調整することができ、アップライトにするとつかまりやすく、フラットにするとつかまりを抑えることができます。

スリーブの構造によっては複数の項目が連動して変化

カチャカチャの構造はブランドによって異なります。

 

テーラーメイドやピンのカチャカチャは、シャフトの差し込む角度を変える構造で、軽量に仕上げられるメリットがあります。ロフト角を変更すると、連動してライ角やフェース角も変更になるといった特性があります。


キャロウェイやタイトリストは、スリーブに歯車を採用することで、シャフトの差し込む角度にもう一つ角度をつけることができ、ロフト角、ライ角を独立して調整することができます。そのぶん構造が複雑化し、スリーブが重くなります。

弾道調整機能
各ブランドの弾道調整機能付きスリーブ。

2025年3月に発売予定のコブラのニューモデルに搭載されるスリーブは、歯車を採用したスリーブで歯車のギア数が多く、ロフト角、ライ角を別々に調整でき、33通りもの調整が可能になります。

調整のやり方が分からないゴルファーのためのカチャカチャ講座

調整できることが分かっていても、どう調整すればいいか分からないゴルファーも多いと思います。そこで症状別にどの項目を調整すればいいかを簡単にご紹介します。


スライスや右への打ち出しが多いゴルファーは、ロフト角を大きい側に、ライ角をアップライトに調整するのが効果的です。ボールがつかまりやすくなり、スライスの軽減や右への打ち出し角度が軽減されます。反対にフックや左への打ち出しが多いゴルファーは、ロフト角は小さい側に、ライ角をフラット側に調整するのが効果的。ボールのつかまりが抑えられます。打ち出し角の高さを調整したい場合は、ロフト角の調整になりますが、メーカーによっては、連動してライ角やフェース角が変わってしまう場合がありますので、注意が必要です。


まずは、スタンダードの状態で打ってみて、どの項目を調整したいのかをハッキリさせたうえで、調整しましょう。むやみに調整を繰り返すと何が変わったことによって弾道が変化したのかが判断しづらくなります。

ブランドごとの早見表を見てみよう! TaylorMade Qi35シリーズ

テーラーメイドが採用しているスリーブは、シャフトに対して斜めに装着されたスリーブを、回転させて調整するタイプです。最新のQi35シリーズに採用されているスリーブは、ロフト角が最大±2度ずつ調整でき、12通りのポジションを選択できます。

テーラーメイド
テーラーメイドのスリーブポジション表。

テーラーメイドでは、ロフト角が大きくなるポジションを「HIGHER」、ロフト角が小さくなるポジションを「LOWER」と表記しています。

 

シャフトの角度を調整するタイプのため、ロフト角を調整すると連動してライ角やフェース角、そしてスピン量が変化します。基本的には、ロフト角を小さくすると、打ち出し角が低くなり、つかまりが抑えられ、スピン量が減少します。ロフト角が大きくなると、打ち出し角が高く、つかまりが良くなり、スピン量が増大します。この法則を覚えておくと、調整がしやすくなります。

テーラーメイドイメージ
テーラーメイドの弾道調整機能使用時の弾道イメージ。

装着位置を180度動かしたアップライトポジションでは、スタンダードポジションよりも4度アップライトになり、ロフト角やフェース角を変更せずにつかまりを良くすることができます。

テーラーメイド Qi35 ドライバー

TaylorMade Qi35 ドライバー

Qi35 ドライバー

2025年に発表されたテーラーメイド「Qi35」シリーズの4モデルあるドライバーの中で、コアモデルと呼ばれるスタンダードポジションのモデルです。4世代目のカーボンフェースを搭載し、その最大のメリットである軽さを生かし、慣性モーメントを高めながら、低重心化。直進性を高めながら、余計なスピンが入りづらい安定した強弾道が打ちやすい特性を持ちます。スリーブの弾道調整機能のほかに脱着式のウェートを2つ搭載しており、ウェートの入れ替えや、別売りのウェートと交換することにより、スピン量やヘッド重量を調整できるなど、高いアジャスト能力を持っていることも大きな特徴のひとつです。

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ブランドごとの早見表を見てみよう Callaway ELYTEシリーズ

キャロウェイのスリーブは、歯車を2つ使用したタイプで、ロフト角、ライ角を独立して調整できるほか、シャフトの向きが変わらないといったメリットがあります。

キャロウェイマトリクス
キャロウェイのロフト角・ライ角ポジション表。

ロフト角は+方向に2度、-方向に1度調整が可能で、ライ角はアップライト方向に調整ができ、全部で8ポジションが選択できます。

 

歯車には、ロフト角を示す、初期設定(ヘッドの表記ロフト)のS、-1、+1、+2の表記と、ライ角を示す初期設定(ニュートラル)のN、アップライトを示すD(ドローの意)が記載されており、これらを組み合わせることによって任意の調整が可能になっています。

キャロウェイ弾道
キャロウェイの弾道調整機能使用時の弾道イメージ。

表記がわかりやすいので文字の意味を覚えれば、比較的簡単に調整できると思います。

キャロウェイ エリート ドライバー

Callaway ELYTE ドライバー

ELYTE ドライバー

キャロウェイの2025年シリーズ「ELYTE(エリート)」のスタンダードポジションに位置するモデルです。様々なアルゴリズムや実際のゴルファーの打点位置などをAIが解析し、設計したAI 10x フェースを搭載しています。打点ズレによる飛距離ロスや曲がりの原因になる要素を軽減してくれるコントロールポイントが前作と比べて10倍に増加し、打点がズレても安定したショットが期待できる設計で、スリーブの弾道調整機能の他に、ソール後方にネジ式の可変ウェートを搭載しています。3つのポジションがあり、位置を変えることでボールのつかまりを調整することができます。

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ブランドごとの早見表を見てみよう タイトリスト GTシリーズ

タイトリストのスリーブは、歯車が一つ搭載されており、歯車の向きとシャフトの向きを変えることで、ロフト角が最大+1.5度、-0.75度、ライ角が最大1.5度アップライト、0.75度フラットに独立して調整できます。

タイトリストマトリクス
タイトリストのスリーブポジション表。

調整ポジション数は16で歯車側に数字が、シャフト側のパーツには英語が記載されており、数字と英語の組み合わせによってどの項目を調整したのかがわかるようになっています。

タイトリスト弾道
タイトリストの弾道調整機能使用時の弾道イメージ。

タイトリストの早見表は、弾道イメージと重なるように作られており、表を見ながら調整すると、イメージする弾道に合わせた調整がしやすくなっています。

タイトリスト GT2 ドライバー

Titlist GT2 ドライバー

GT2 ドライバー

2024年に発表されたタイトリストの「GT」シリーズに属するドライバーです。GT2は、直進性の高さとミスへの寛容性を重視して設計されています。新開発の軽量ポリマー素材をクラウンに採用し、低重心かつ、クリアな打音、打感といったドライバーに求められる性能すべてに良い効果をもたらしています。つかまりはニュートラルで、自身のスイングを弾道に反映させつつ、安定したショットが期待できるモデルとなっています。

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ブランドごとの早見表を見てみよう ピン G440シリーズ

ピンのスリーブの構造は、テーラーメイドと同じ、シャフトに対して斜めに装着したスリーブを回転させて固定し、角度を変えるタイプです。

ピン マトリクス
ピンのスリーブポジション表。

ピンのスリーブは、±1.5度ずつ調整が可能で計8ポジションとなっています。

ピン 弾道
ピンの弾道調整機能使用時の弾道イメージ。

テーラーメイドと違う点は、スリーブを180度反対にするとアップライトではなくフラットに調整ができること。またフェース角やスピン量は変化するはずなのですが、具体的な角度や数値は表記せず、早見表の中で、スピン量が多い場合は、ロフト角を減らす、スピン量が少ない場合は、ロフト角を増やすと文面で表記しています。

PING G440 MAX ドライバー

PING G440 MAX ドライバー

 G440 MAXドライバー

2025年に発表された「G440」シリーズのドライバーで、G440MAXはスタンダードポジションに位置するモデルです。PINGらしさであるミスへの寛容性、直進性の高さを維持しながらさらなる低重心化を実施。余計なスピンを減らすことによって飛距離性能を上乗せすることに成功しています。前作と比べてわずかに投影面積が小さくなっており、構えやすさも向上しています。スリーブの弾道調整機能の他に、3つのポジションを持つネジ式の可変式ウェートを搭載しており、ポジションを変えることでボールのつかまりを調整することが可能です。

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ブランドごとの早見表を見てみよう コブラ DS-ADAPTシリーズ

コブラの最新モデルDS-ADAPT(アダプト)に搭載される弾道調整機能は、FUTUREFIT33と呼ばれる最新のタイプです。タイトリストと同じひとつの歯車とシャフトの向きで調整する機構を採用しています。

コブラマトリクス
コブラのスリーブポジション表。

ロフト角は最大±2度、ライ角も最大±2度、独立して調整することができ、歯車のギアの数を多くすることで33通りものポジションを選択することができます。

コブラ 弾道
コブラの弾道調整機能使用時の弾道イメージ。

コブラもタイトリスト同様、早見表は弾道のイメージに重なるように作られており、直感的に、調整すべきポジションがわかるように作られています。

コブラ DS-ADAPT X ドライバー

COBLA DS-ADAPT X ドライバー

COBLA DS-ADAPT X ドライバー

2024年モデルで好評だった「ダークスピード」シリーズをベースに基本性能の改良を加えつつ、最新の弾道調整機能を搭載したのが「DS-ADAPT」シリーズです。基本となるヘッドは4モデルラインアップされ、Xはスタンダードなポジションに位置するモデルです。つかまりはニュートラル特性で打点のミスに強く、低スピンが安定して打てる特性を持ち、2つの脱着式ウェートを搭載。ウェートを入れ替えることでスピン量や打ち出し角を調整することができます。スリーブの弾頭調整機能は、33通りのポジションを選択することができ、ロフト角、ライ角をそれぞれ独立して調整することが可能です。

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機能を理解してカチャカチャを使えばゴルフはもっとシンプルになる

カチャカチャは、非常に便利な機能です。うまく利用すれば、技術的に不足している部分の補足になりますし、その日の調子に合わせたアジャストもできます。こういった便利機能を使いこなすことができれば、自信のスイングでアジャストする部分が減り、プレーもシンプルにすることができます。


カチャカチャを使用する点で、一つ注意しておきたいのが、カチャカチャはあくまで微調整であるということ。調整には限りがあります。どんなにつかまるようにカチャカチャで調整したとしても、使用しているヘッドがつかまりを抑えた設計であれば、誰でもつかまるようになるわけではありません。弾道に与える影響はヘッドの性能の方がはるかに大きいということは覚えておきましょう。