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飛び系アイアンって本当によく飛ぶの?初心者のための基礎知識&人気6モデル比較

ゴルフギアカタログ編集部

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飛距離性能の高さで人気の「飛び系アイアン」は、やさしく飛ばせる一方で、スピン性能や操作性には注意すべき点もあります。この記事では飛び系アイアンの仕組みや特長、デメリットを解説しながら、注目の6モデルを徹底比較します。自分に合う1本を見つけてください!

初心者向け

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飛び系アイアンとは文字通り飛距離性能を高めた飛ぶモデル

 近年、アマチュアゴルファーの中で、高い人気を誇っているのが“飛び系”と呼ばれるアイアンです。その名の通り、アイアンでも飛距離性能を高めたモデルのことで、同じ距離を一般的なアイアンよりも短い番手で打つことができ、その爽快感と、短い番手で打てる安心感から多くのゴルファーに支持されています。

 

 飛び系アイアンは、その飛距離性能を高めるために様々な工夫が施されています 。各メーカーによってそれらの工夫は様々ですが、共通している点として一般のアイアンのロフト角設定よりも立てた設定になっている点が挙げられます。

アイアン比較
操作性が高いピン ブループリントS(左)と、飛び系アイアンのピン G730のロフト角を比較。同じ7番アイアンでも、その差は6.5度にもなる。

 一般的なアベレージ向けアイアンが7番アイアンで30度前後なのに対し、飛び系アイアンと呼ばれるモデルは、28度以下のロフト角設定になっています。ロフト角を立ててれば、それだけインパクト時のエネルギー効率が高まるため、ボール初速が速くなり、飛距離を追求しやすくなります。しかしそれではボールが上がりにくくなるため、ヘッドの重心を深く低く設計することで、ロフト角以上の弾道の高さを生み出し、飛距離の出やすい性能を実現させています。

飛距離が出やすいアイアンは構造上やさしくなる

 ロフト角を立ててボール初速を稼ぎ、弾道の高さを実現させるために重心を深く低く設計した飛び系アイアンは、打点ズレのミスにも強いモデルが多いです。

 

 理由は、弾道の高さを実現させるための深く低い重心構造が、打点ズレのミスにも強い構造だからです。重心が深いと、芯を外した時はヘッドのブレが抑えやすくなり、弾道の直進性が高まります。重心が低いと、芯を外しても芯より上部でヒットする確率が上がります。芯より上部でボールをとらえると、インパクトの瞬間にロフトが増える方向にヘッドがブレるため、例えミスショットでもボールの高さを確保しやすくなります。このふたつの効果が安定してボールを前に飛ばすことにつながるため、飛距離を追求したアイアンは、総じてミスに強いアイアンともいえるのです。

飛んでミスに強いメリットだらけの飛び系アイアンにもデメリットはある

 飛距離が期待でき、打点ミスにも強いという一見メリットだらけの飛び系アイアンですが、もちろんデメリットもあります。

 

 そのデメリットの一つに、グリーンで止まりづらいという点が挙げられます。ロフト角を立てた設計は、ボール初速を高める効果をもたらしますが、スピン量を軽減するという効果も同時に発揮します。スピン量の軽減は、飛距離性能にも良い効果をもたらすのですが、その反面、スピン量が減ってしまうとグリーンでボールを止めることが難しくなってしまいます。

 

 そのぶん、高さを出すことである程度グリーンでボールを止めることはできるようにはなっていますが、一般的なロフト角の設定のアイアンと比較するとグリーンで止める能力は低いと言えるでしょう。

 

 またボールコントロール能力も低いです。ボールをあえて曲げたり、打ち出しの高さを調整したりなどのボールをコントロールする性能は、スピン量に影響します。飛距離を追及するため、スピン量を抑える方向に設計された飛び系アイアンでは、ドローやフェードなど、簡単なコントロールはできてもボールを緻密に制御することは難しいです。

アイアン特性別 メリット・デメリット

種類特徴メリットデメリット
飛び系アイアン・ロフト角が立っている
・深低重心設計
・広い高反発エリア
・飛距離が出やすい
・ロフト角に対してボールが上がりやすい
・ミスヒットに強い
・操作性が低い
・グリーンで止まりづらい
・ウェッジなど下の番手が多く必要になる
アベレージ向け
アイアン
・大きめのヘッドサイズ
・ソール幅が広く低重心
・寛容性重視
・ミスに強い
・ボールを上げやすい
・ダフリに強い
・操作性が劣る
アスリート向け
アイアン
・小ぶりなヘッドサイズ
・高いコントロール性能
・浅重心
・弾道の高さやスピン量をコントロールしやすい
・止めやすい・操作性が高い
・しっかりした打感
・飛距離が出にくい
・ミスにシビアで難易度が高い

飛び系アイアンは各メーカーによってロフト角や長さが異なる

 飛び系アイアンの飛距離性能は、各メーカーがどこまで飛距離性能を重視しているかによって変わってきます。飛距離性能を重視すればするほど、前述したデメリットを軽減するのが難しくなります。距離性能をほどほどにしてバランスの良いアイアンを目指すのか、飛距離性能を追求しつつ技術や設計でデメリットをうまく軽減するのかなど、メーカーの考え方や思惑はそれぞれでしょう。

 

 飛び系アイアンの飛距離性能の高さをわかりやすく見定める部分がロフト角の設定です。同じ番手で比較し、ロフト角が少ない(立っている)モデルほど飛距離を重視した設計だと判別できます。また長さの設定も飛距離性能に大きく影響します。長く設計されているモデルほど、ヘッドスピードを稼ぎやすくなるため、高い飛距離性能を追求したモデルということが言えます。

 

 今回ご紹介する飛び系アイアンの7番アイアンのスペックを比較すると以下のようになります。

ブランドヘッド名ロフト角クラブ長さ
ヤマハインプレス ドライブスター アイアン25.0度38.0インチ
プロギア03 アイアン25.0度38.0インチ
ピンG730 アイアン26.5度37.0インチ
ブリヂストン245MAX アイアン27.0度37.5インチ
キャロウェイエリート X アイアン28.0度37.25インチ
ミズノJPX925 ホットメタル アイアン28.0度37.25インチ

 一般的なアイアンは7番でロフト角30度、クラブ長38インチなので、モデルによっては、1番手以上のロフト角の差があります。

 

 飛距離性能は、フェースの素材や重心位置の追求といった部分も大きく影響しますので、ロフト角や長さがそのまま飛距離性能になるとは言い切れませんが、メーカーが飛距離性能をどこまで重視しているかというひとつの目安にはなりますね。

おすすめ飛び系アイアンを6モデル一挙ご紹介

 アイアンだって飛ばしたい! と考えるゴルファーにとって、非常に魅力的な飛び系アイアン。今回は、巷で評判の飛び系アイアンを6モデルご紹介します。飛距離性能はもちろん、ミスへの寛容性やヘッド形状など、個性豊かなモデルばかりですので、ぜひチェックしてみてください。

ヤマハ インプレス ドライブスター タイプD・S アイアン

YAMAHA INPRES DRIVESTAR TYPE/D・S アイアン

INPRES DRIVESTAR TYPE/D・Sアイアン

ドライブスターの前身である「UD+2」というアイアンは、飛び系アイアンの先駆けで、ジャンルが生まれるきっかけを作ったクラブです。ネーミングは“ウルトラディスタンス+2番手の飛び”という意味が込められており、その名の通り一般的なアイアンと比べて2番手ぶん飛ぶと大ヒットしました。ドライブスターシリーズのアイアンは、TYPE/SとTYPE/Dの2モデル用意されていますが、どちらもその飛距離性能をしっかりと引き継いでいます。シャープな形状のTYPE/Sとやさしさを形に表したTYPE/Dはどちらのモデルもヘッドの深く低い位置に大容量のタングステンウエートを搭載。重心を深く低い位置に設定しつつ、フェース面上の「重心点」とフェース面が最もたわむ「図心」、「打点」の3つを極力近い位置に設計することで、高い反発性能と高弾道を両立させています。

TYPE/Dを詳しく見る

TYPE/Sを詳しく見る

プロギア 03 アイアン

PRGR 03 アイアン

03 アイアン

PRGR(プロギア)は、「Egg(エッグ)」ブランドなどで、古くから飛距離を重視したアイアンを作り続けてきたメーカーです。「03アイアン」は、そのノウハウを生かし、形状にもこだわった飛び系アイアンに仕上がっています。「Oval Cavity Design」と呼ばれる重量配分デザインとCNCミルド加工による精密なヘッド加工により、低く深い重心を達成しつつフェースのセンターに重心を設定することに成功しています。またフェース面も上部にかけて肉厚を薄くする「グラデーションフェース設計」や、番手ごとにフェース裏の溝加工の配置を変えた「番手別バックフェースグループ」などを搭載することにより、フェース上部の反発性能を向上させつつ、打感やコントロール性も向上させています。シンプルなデザインと適度なサイズ感、アスリート然とした形状で、顔(ルックス)にもこだわる飛び系アイアン愛好者に高い人気を誇るモデルです。

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ピン G730 アイアン

PING G730 アイアン

G730 アイアン

PING(ピン)というメーカーは、ミスに強い“やさしい”クラブを作るのが得意です。そんなPINGが作った飛び系アイアンが「G730」です。ドライバーでこだわっている高い慣性モーメントをアイアンにも適用し、フェース面の中央部を厚く、外周部を部分的に薄く設計した「VFTフェース」を採用。打点がズレても安定した初速を確保し、直進性の高い設計でミスに強いアイアンに仕上がっています。さらに低重心化とロフト角を立てた「パワースペック」設計を組み合わせることで、飛んで上がる特性を追加し、ミスに強い飛び系アイアンとして完成しています。また「G730」は、専用のウェッジにも力を入れて開発しており、飛び系アイアンの悩みのひとつであるウェッジとのつながりも考えたシリーズです。

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ブリヂストン 245MAX アイアン

BRIDGESTONE 245MAX アイアン

245MAX アイアン

「245MAXアイアン」は、ブリヂストンが持つテクノロジーをふんだんに使った先進的な飛び系アイアンです。アマチュアゴルファーが求めるミスへの寛容性、飛距離、打感のどれも犠牲にすることなく追求するために、薄肉化した高強度フェースの裏面にカーボンを複合した新構造の「Carbon Core Composite」テクノロジーを採用。高い反発とより大きな余剰重量を生み出しています。フェース面の裏側には、トゥヒール部にボールのディンプルのようなくぼみを複数配置し、ミスヒット時の飛距離ロスを軽減させています。打点部の裏には振動吸収ラバーを搭載し、余計な振動を軽減させています。ヘッド下部後方には、新構造で生まれた30グラムもの余剰重量をタングステンウエートとして搭載し、ミスに強く、安定して飛ばせるアイアンとして完成しています。技術の進化を実感できる飛び系アイアンです。

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キャロウェイ エリートX アイアン

Callaway ELYTE X アイアン

ELYTE X アイアン

ELYTE(エリート)シリーズの最大の特徴は、モデルごとに設定されたターゲットゴルファーに合わせて設計される「Ai 10x FACE」です。「エリートX」アイアンはヘッドスピードが平均的で打点がバラついてしまうゴルファーを対象として設計されており、安定して飛ばせるアイアンに仕上がっています。高いボール初速を生み出すステンレススチールを採用したフェースに柱のような支える役割を果たす「ニュースピードフレーム」を採用することで、構えやすいすっきりとした見た目を実現させつつ、余計な振動を軽減し心地よい打感を生み出しています。さらにヘッド内部には、「ウレタン・マイクロスフィア」とトゥ側にタングステンウエートを搭載し、慣性モーメントを高めつつ、打感を向上させています。振り抜きの良いトライレベルソールも搭載し、見た目以上にやさしく飛ばせるアイアンです。

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ミズノ JPX925 ホットメタル アイアン

Mizno JPX 925 HOT METAL アイアン

JPX 925 HOT METAL アイアン

ホットメタルシリーズは、初速性能と高弾道で飛距離にこだわったアイアンシリーズです。フェース素材にニッケルクロムモリブデン鋼を採用し、「新コンターエリプスフェース」と呼ばれるフェースのたわみを増幅させる独自の肉厚設計によりフェース全体のボール初速を向上させつつ、ミスヒット時でも安定した性能を発揮させることに成功しています。ソール下部にはタングステンウエートを搭載し、ヒール側のウエートをトゥ側に配分することにより、重心を低く中央に配置し、弾道の高さとミスへの寛容性を追求。さらには打球音の周波数や音圧をコントロールするサウンドバーやサウンドリブを搭載することにより、性能だけでなく打感、打音をも追求したアイアンに仕上がっています。

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